視力を回復したいと願うのならば、自分がなぜ物が良く見えないかを知る必要があります。
自分の目の状態を知る
自分の目の状態を知るには、近視や遠視などのタイプ別の特徴を理解しておくと良いでしょう。
まずは、正常な状態の「正視」についてです。
「正視」の場合は、遠近の調整を行なう毛様体筋に問題がなく、すぐに網膜上にピントをあわせることができる状態です。裸眼で視力検査を行なうと、1.2以上の視力になります。
この視力に関わる、「毛様体」「網膜」「水晶体」「角膜」の個人の状態によって、近視になったり、遠視になったりするのです。
ちなみに、毛様体筋という筋肉を伸ばしたり緩めたりすることで水晶体の調整を行なっています。水晶体は、近くを見る時には厚くなり、遠くを見る時には薄くなり、ピントを合わせています。また、角膜は、目の玉を覆う外膜で、厚さは1ミリほどの透明な膜です。
・近視とは
近視とは、網膜上にピントを合わせることができずに、網膜よりも手前に焦点が合ってしまう状態です。このことが、インターネット辞典のWikipediaに詳しく書かれています。
『近視(きんし)は、屈折異常のひとつで、眼球内に入ってきた平行光線が、調節力を働かせていない状態で、網膜上の正しい位置ではなく、もっと手前に焦点を結んでしまう状態』
また、この近視には、「仮性近視」と「真性近視」があります。
仮性近視は、視力が悪くなり始めてから、まだわずかの期間であり、なおかつ近視の程度がまだ軽い状態です。通常は、視力の低下が始まってから6ヶ月ほどで真性近視になると言われています。ただし、目の使いすぎによって、6ヶ月よりも短い期間で、真性近視になる人もいます。
次に、真性近視ですが、真性近視では、毛様体筋の伸び縮みの柔軟性が落ち、水晶体が常時膨らんだ状態で固定してしまいます、ただ、一旦真性近視になったとしても、元の状態には戻らない可能性は高いのですが、現在よりも視力が改善する可能性はあります。
なお、近視(近眼)の主な原因としては、遺伝と後天的な環境が挙げられます。近視の親から生まれた子供の近視率がかなり高いことから遺伝による影響が強いと考えられていますが、遺伝的な要因ばかりではなく、勉強や読書の仕方やパソコン(コンピュータ)や携帯メールなどの利用時間の長さなどが近視の発症に影響があるとも考えられています。
・遠視とは
近視とは反対に、網膜の後方部分に光の焦点が合ってしまうのが遠視の状態です。幼児期は、身体が小さいことに比例して、眼球の大きさも大きくないことから遠視になります。身体の成長に伴って、徐々に網膜上にピントが合うようになり、小学校に入学する6歳前後には、ほとんどの子供は、遠近の調整がきちんとできる「正視」状態になります。
もし遠近の調整を行なう毛様体筋の機能が不十分であったり、眼球の形状が縦長だったりという何らかの理由がある場合には、眼科できちんと検査をすることが必要になるでしょう。
ただし、子供の場合は、視力が回復することも多く、その回復期間が短期間であるケースも多いので、視力回復トレーニングを受けることも選択肢の一つになるでしょう。
・弱視とは
近視・遠視以外にも、弱視という分類があります。
弱視は、裸眼の視力検査で0.3以下のケースです。この弱視は、「器質性弱視」と「機能的弱視」に大別されます。
「器質性弱視」は、目の病気や怪我によって、網膜や視神経が傷つき回復が難しい状態です。一方、「機能的弱視」は、遠視、乱視、近視の状態が悪く、眼鏡(メガネ)やコンタクトレンズによって矯正した場合にも、0.4以上の視力に回復していない状態です。
ただ、この「機能的弱視」は、視力回復トレーニングなどによって、視力を改善することができる場合があるので、あきらめず自分にあった改善法を探してみると良いでしょう。
特に幼児から小学生くらいの年齢であれば、一日も早く検査をし、視力回復のための何らかの方法に取り組むことが、視力の状態を短い期間で改善するための大切なポイントとなります。
・眼精疲労とは
今までに、「眼精疲労」という言葉を見聞きしたことがあるでしょうか。
多くの人は、コンピュータが、職場や家庭に普及し、目の疲れを誘発しやすいコンピュータの使用頻度が多くなったり、利用時間が長くなっています。また、字の小さい携帯電話によるメールを利用したり、DSのゲームなどを利用したりという人が増え、「眼精疲労」の状態になっている人が少なからずいます。
「眼精疲労」が進むと、偏頭痛、肩こり、目の痛み、ドライアイ、吐き気などの症状が表れてきます。大人であれば、これらの症状が出てきた時に、仕事量を調整したりという対処がある程度できる場合がありますが、子供の場合には、これらの症状と「眼精疲労」とを結び付けて考える親が決して多くありません。
勉強にやる気が出ない。
情緒が不安定になっている。
このような状態になっている時には、「眼精疲労」を疑って、眼科医に相談することが必要な場合もあるのです。
視力が良いのは当たり前ではありません。
視力が悪くなってから対処するよりは、視力が悪くならないように生活習慣を見直すことが必要です。
しかし、すでに視力が悪くなってきたと感じているのなら、視力回復トレーニングや視力回復手術というのも選択肢になってきます。
視力回復トレーニングや視力回復手術が、どのようなものであるかを十分に調べて、検討してみる時期が訪れているのかもしれません。
目が見えなくなってからでは遅すぎます。
手遅れにならないうちに、あなたの目のために心配りをしてあげましょう。